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弘法山古墳
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 松本市の中心市街地の南東に、地元で弘法山(こうぼうやま)とよばれる小高い丘があります。
 頂上部に古墳があることは古くから知られていましたが、戦時中には高射砲の台座が据え付けられるなど、それほど重要な遺跡とは考えられていませんでした。
 昭和40年代のおわりに、一帯を学校用地として造成する計画が持ち上がり、初めて本格的な発掘調査が行われることになります。
 結果は驚くべきものでした。古墳は当時まだ長野県内で確認例がなかった「前方後方墳」であり、しかも東日本で最古となる3世紀末(古墳時代初期)に造られたものであることが判明したのです。
 調査からわずか2年という異例のスピードで国史跡に指定されたことが、この発見の重大さを物語っています。
 古墳から見渡せる景色は、いわば、埋葬された人物の支配権が及んだ範囲といえます。現在は、松本平と北アルプスのパノラマを楽しめる眺望スポットとして、また春には桜の名所として親しまれる弘法山。古代史に思いを馳せれば、その景色はまた一味ちがったものに見えるかもしれません。

所在地
長野県松本市並柳
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