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八面大王足湯
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 時は延暦。都が平安京へと遷る、その少し前のころ。安曇野の地で、一帯の村々から繰り返し穀物を奪い、人びとを苦しめる盗賊たちがいた。彼らは8人の首領を戴き、みずから八面大王(はちめんだいおう)と名乗った。その悪名は都にまで届き、ついに討伐の勅命が下る。
 仁科氏の家臣・田村守宮(たむらもりのみや)率いる討伐隊の奇襲が成功し、盗賊たちはなすすべなく降参した。捕らえられた首領8人は、恨みを晴らさんとする村人たちによって成敗された。
 以上は、古代からこの地方の有力な一族であった仁科氏にまつわる記録「仁科濫觴記(にしならんしょうき)」によるものです。耳塚、八景山(八鬼山、やけやま)など、安曇野周辺に現存する地名は、このエピソードに由来するともいわれています。
 いまも残る伝説の、その心やいかに。
 真実はいつもひとつ…ではないのかもしれません。

所在地
長野県安曇野市穂高有明
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