「移住したい都道府県No.1」
選ばれ続けている 憧れの移住地「長野県」
信州・松本の地で
新しい根を張り
それぞれの道を進む
ふたりのストーリー
オーナシェフ
代表取締役
- 人生は、見学できない
- 究極のボランティア集団でいい
- ビジネスチャンスは地方にある
- 松本は「仲良くなると熱い」人ば…
- 自分がニュートラルで居られる場…
- 五感で味わえるパティスリーにし…
- ここにいるみんなが機嫌良く働け…
1981年、埼玉県生まれ。製菓の専門学校を卒業後、横浜みなとみらい「横浜ロイヤルパークホテル」にパティシエとして入社。その後、鎌倉の「Patisserie 雪乃下」、東京目黒の「パティスリー ジュンウジタ」で腕を磨く。独立・起業を機に、長野県松本市に移住。2017年3月にお酒をテーマにしたパティスリー「Pâtisserie NUMOROUS」をオープン。
- 「お金儲け」が目的だとつまらない
- 松本の経済の循環に入り込みたい
- 山好きにとって、松本は聖地
- 松本で「地域を愛すること」を知…
- 地方だからこそ挑戦できることを
- 「心の豊かさ」を軸に進んでいき…
- 松本は日本をリードできる可能が…
1972年、新潟県生まれ。新潟デザイン専門学校卒業後、大手アウトドアメーカーに入社。企画・開発を26年間経験し、様々なアウトドアプロダクトを世に送り出す。2019年に長野県松本市に移住、松本発アウトドアブランドとして「ZANE ARTS」を立ち上げる。テント「ゼクーM」2020年度グッドデザイン賞、「グッドデザイン・ベスト100」選定。
\ 人生を変える、未来を支える /
コピーライター後藤 麻衣子
コピーライター後藤 麻衣子
岐阜・名古屋で活動するコピーライター。印刷会社で情報誌の編集・印刷媒体の企画などを7年経験したのち、2012年にフリーライターとして独立。2015年、工業デザイナーの夫と一緒に岐阜でデザイン事務所「株式会社COMULA」をスタート。趣味はキャンプと俳句。二児の母。1983年生まれ。長野県飯田市の病院で、産声を上げる。
岐阜・名古屋で活動するコピーライター。印刷会社で情報誌の編集・印刷媒体の企画などを7年経験したのち、2012年にフリーライターとして独立。2015年、工業デザイナーの夫と一緒に岐阜でデザイン事務所「株式会社COMULA」をスタート。趣味はキャンプと俳句。二児の母。1983年生まれ。長野県飯田市の病院で、産声を上げる。
縁もゆかりもない松本に移住し、
ここを拠点にものづくりを始めようと決めた
今、注目の経営者ふたりによる対談です
後藤
住み始めて数年経って、松本に来たばかりの頃と今とで、
変わったことはありますか。
大塚
移住してきた当初は、僕よく「地産地消」とかって言ってたんですよ。
でもよく考えたら、農家さんの年間何トンという収穫量のうち、僕ひとりが10kgや20kgくらい買ったところで、「地域に貢献してる」なんて大きな声で言えないな、と思えてきて。
それから「地産地消」って言うのをやめて、パティシエとして真面目にお菓子と向き合って、「ちゃんと使って、ちゃんと広めていく」ことに力を入れることにしました。
同じ志を持つ人を増やして、チームにして、そのチームとして発信して行けたら、それでいいな、と。
小杉
とても共感します。
無理な「異業種コラボ」とかではなく、それぞれのプロがそれぞれの分野で、どうやっていくかをまっすぐ考えていく方が、絶対いいと思う。
飾らなくていい、背負わなくていい。無理しなくていいから、それぞれのフィールドで魅力を伸ばすことで、全体が松本というまちになる、というのが理想ですね。
大塚
そうなんです!
小杉
もちろん、親和性あるもの同士は一緒にやればいいけど、「同じ地域だから」とか「仲良しだから」みたいな理由で無理矢理一緒にやらなくていい。
ただ、今日もそうですけど、同じ松本という場所で何か事業をしてるってことは、話してみると同じような感覚持った人が多い印象はあるんですよね。
大塚
ありますね。
特に、ここを選んで移住してきた人たちとは、同じものを感じることが多いです。
小杉
でもそれって、地域のコミュニティの強さだと思うんですよ。
松本っていう区域の中で、それぞれの点を、自由に繋げていきながら生きていければいい。
それがやがて「松本ってこんな雰囲気だよね」っていう、飾らない松本らしさみたいなものになっていく。
まちをつくっていくというのは、そういうことだと思うんですよね。
今おふたりが感じていることはありますか。
大塚
「地方だからそれなりの味でいい」っていうのは、僕は絶対違うと思うんです。
小杉
わかります。
実際、地元の人に「ここはすごく美味しいよ」って教えてもらった店が、全然おいしくなかったこともあります(笑)。
大塚
ですよね。
あと、「地元のものだから美味しいはず」も違うんです。
地元で作ってるとか他県で作ってるとか関係なく「いいものだから使う」、それでいい。
さっきも話しましたが、「地産地消」を目標にしてしまうことで、結果的にお客さんを裏切ることもあるかもしれないから。
小杉
そうですね。
僕たちみたいに、外から来て松本で腰を据えてるからこそ、外の世界をちゃんと意識するのはとても大事です。
「地方だからそのレベルでいい」「地方の中ではレベルが高い方」とかではなく、ここで根差すからこそ、きちんと世界に目を向けて、レベルを底上げしていく必要があるんですよね。
大塚
移住してすぐ、店のブランディングデザインを「せっかく松本に来たんだから」と地元のデザイナーさんに頼もうとしていた時期がありました。
かなり調べてみたんですが良さそうな人が見つけられなくて、結局松本縛りで考えるのをやめて、名古屋でお願いしました。
小杉
わかります。
僕も当初地域貢献の一環のつもりで地元の方にお願いしたいと思ってたけど、結局それはうまくいかなかったんですよね。
「クオリティレベルは関係なくて、地元だから使う」では、どんどんダメになっていく。
レベルの高いクリエイターが地方にいるのなら、喜んでお願いすればいい。
でもクオリティを高めていくために必要なクリエイターがいないんだったら、それは相応のレベルのクリエイターに依頼しないといけないし。
大塚
わかります。
そこはクオリティをしっかり考えるべきですよね。
小杉
自分の会社のブランドや、世に出していくプロダクトについては、責任を持って世界に通用するようなレベルにしないといけない。
それが「地方だから」を言い訳にしてはいけないと思うんです。
大塚
「所詮、地方だから」と、ダサくていい、それなりの味でいい、ではダメですよね。
小杉
そうですね。
世界に目を向けていくために、世界で張り合っていけるものを世に出していく。
そこはシビアに判断して、いいものにしていかないといけないと思っています。
自分なりに正しく豊かに生きるってどういういことなのかを考えたときに、このぬるま湯にいちゃダメだっていう危機感は、ある程度必要だと思っています。
生きるってどういうことか、働くってどういうことか、をしっかり考えて、いつも本気で向き合っていきたいですね。